結論から。日本舞踊の発表会に招待されたら、やることは5つです。①返事を早めに返す ②服装を決める ③花か手土産を用意する(ご祝儀は任意) ④出番の20〜30分前に着席する ⑤終演後に「おめでとうございます」と良かった場面をひとつ。これで足ります。以下、時間の順に並べます。
招待されたら、まず何を返事する?
行けるかどうかを、わかった時点で伝えます。舞踊家の梅川壱ノ介さんは、家族や知人の出演を見に行くときの心得として「キャンセルは早めに」と書いています(出典:日本舞踊を見に行く際の基本マナー)。
招待券は枚数が決まっていて、出演者が自分で配っています。断りにくくて返事を遅らせると、その席が空席になります。逆に「行きます」と早く言うほど喜ばれます。あわせて、出番の時刻と演目名を聞いておくと後がすべて楽になります。
会の種類で、やることは変わる?
変わります。同じ「発表会」でも、規模の違う3種類があります。名前を見ればどれかわかります。
| 会の名前 | どんな会か | 客側の身構え |
|---|---|---|
| 発表会・本会 | かつらと衣裳を付け、大道具・照明・音響も入る本舞台 | 一段きれいめの服装。花や手土産を持つ人が多い |
| おさらい会・勉強会 | 手持ちの着物で、裏方も出演者が担当する小さな会。入場無料のことも | 普段着で十分。手ぶらでも浮かない |
| 浴衣会 | 料亭などで開く小規模な会 | 「浴衣会」と明記された会なら浴衣で行ってよい |
(出典:西川流 日本舞踊のおはなし、尾上菊右佐 おさらい会と発表会の違い)
先生が名取(芸名を許されること)を舞台で披露する「名披露目」は、記念の会にあたります。会の種類ごとの見方は公演に行くにまとめました。
何を用意して、いくらかかる?
必ず要るのは服装だけです。あとは任意で、上限は花束3,000〜5,000円が目安です。会によって違うので、ここは目安として読んでください。
| 用意するもの | 目安 | 要否 |
|---|---|---|
| 服装 | 清潔感のあるきれいめの普段着。着物でなくてよい | 必要 |
| 花束 | 3,000〜5,000円(連名なら5,000〜10,000円) | 任意 |
| 手土産・楽屋見舞い | 個包装で常温・日持ちする菓子 | 任意 |
| ご祝儀 | チケットを買ったなら不要。記念の会は1万円位〜 | 任意 |
(出典:日比谷花壇 発表会の花、藤間恵都子教室 よくある質問)
それぞれの決め方は、服装は着物でなくていい理由・差し入れは何がいい?・ご祝儀はいくら?に分けて書いています。
当日は何時に行って、どう過ごす?
出番の20〜30分前に着席します。発表会では出演者の出番前に到着することが重視されます(出典:梅川壱ノ介)。
地域の合同公演や社中の会は、開演11時・終演17時のような終日型もあります。全部見る必要はなく、曲と曲のあいだに出入りすれば大丈夫です。ただし「完全入替制」の二部制公演は、出ると同じ券で戻れません(→公演は全体で何時間?)。花や手土産は、開演前に受付へ「○○さんへ」と預けるのが確実です。
終演後は何と言えばいい?
「おめでとうございます」に、良かった場面をひとつ添えます。「上手でした」という評価の言葉は使いません。梅川壱ノ介さんも、観客は評価ではなく応援の気持ちで臨むことを勧めています(出典:同記事)。
扇の使い方、衣裳の色、足を踏み鳴らす音——覚えている具体的なものを1つ言えば、それが「見ていましたよ」の証拠になります(例文は感想は何と言えばいい?)。
後日、やることは残っている?
お礼を一言送るだけです。LINEなら当日中、メールや手紙なら数日以内が目安で、品物やお返しは要りません(→後日のお礼の文面例)。
やらないほうがいいことは?
撮影です。国立劇場は上演中の撮影・録音を一切断っており、客席の撮影も禁止しています(出典:国立劇場 よくある質問)。教室の会でも、明確に許可された場合を除いて撮らないのが原則です。
掛け声も要りません。歌舞伎の「大向う」は専門の人の文化で、日本舞踊では一般的ではないと言われます。拍手は周囲に合わせれば十分です(→拍手はいつする?)。
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- 家族が出演するとき — 応援団の見方 — 舞台に立つまでに何をしているか