結論から。日本舞踊の発表会に招かれたお礼は、LINEなら当日中、メールや手紙なら数日以内が目安です。文面は「お招きのお礼」「見た場面をひとつ」「また伺いたい」の3行で足ります。品物やお返しは要りません。
お礼はいつまでに送る?
LINE・メールは当日中、お礼状は数日以内が目安です。音楽の演奏会のマナー解説でも、「LINEやメールの場合は当日中、お礼状の場合もできる限り数日中に送る」とされています(チケットを頂いたお礼メールの書き方)。舞台の記憶は翌日から薄れます。長い文章を練るより、帰りの電車で3行送るほうが喜ばれます。
目上の方や取引先なら、当日の夜に短くLINEかメールを送り、後日あらためて丁寧なメールか手紙を出す二段構えが無難です。すぐに送れなかった場合も、遅れたことを一言わびて出せば失礼にはなりません。
LINEの文面例(相手別)
3文で構いません。「お礼」「場面ひとつ」「ねぎらい」の順です。
- 家族へ:「今日はおつかれさま。藤娘、笠の紐を口にくわえるところで目が離せなかった。ゆっくり休んでね」
- 友人・同僚へ:「今日はお招きありがとう。傘の踊りから白い衣裳に変わった瞬間、客席がざわっとしたよ。おつかれさま」
- 先生・目上の方へ:「本日はお招きいただきありがとうございました。最後に扇を開かれた姿が心に残っております。どうぞお疲れが出ませんように」
送る時間帯は、終演の数時間後から夜までで構いません。出演者は片づけと打ち上げで慌ただしいので、返信を求める書き方(質問を入れる、既読を待つ)は避けます。
メールの文面例(目上・取引先)
後日に送るメールは、件名で用件がわかるようにし、本文は5〜6行にまとめます。
件名:本日の舞踊会のお礼 ○○様 本日は舞踊会にお招きいただき、ありがとうございました。 ○○様の「京の四季」を拝見し、扇が桜にも盃にも見えてくる場面に引き込まれました。日本舞踊を拝見するのは初めてでしたが、あっという間の時間でした。 長いお稽古の積み重ねがあってこその舞台と存じます。またの機会にぜひ拝見させてください。 まずは御礼まで申し上げます。
招待の連絡をもらった段階で返信する場合は、冒頭でお礼と出欠を伝え、最後に「当日を楽しみにしております」で結ぶ形が定型です(コンサートに招待された!お礼メールの書き方)。
何を書けば喜ばれる?
「見ていた証拠」をひとつ書くことです。舞踊家の梅川壱ノ介さんは、発表会の観客に求められるのは評価ではなく応援の気持ちだと書いています(日本舞踊を見に行く際の基本マナー)。「上手でした」「完璧でした」は採点に聞こえるので避け、覚えている場面をそのまま書きます。
思い出せなければ、衣裳の色、扇や手ぬぐいの使い方、最後に決めた姿勢、地方(じかた)の三味線の音——このどれかで構いません。演目名は番組(プログラム)に載っています。言い方のバリエーションは発表会の感想は何と言えばいい?にまとめました。
写真や動画を送ってもいい?
自分で撮った舞台写真は送りません。国立劇場は「上演中におけるカメラ、スマートフォン、ビデオカメラ等での撮影・録音は一切お断り」としており、客席の撮影も禁止しています(国立劇場Q&A)。多くのホールと発表会も同じ扱いで、そもそも撮れません。
ロビーで一緒に撮った記念写真や、受付でもらった番組の写真を添えるのは自由です。ただしSNSへの投稿は、出演者の名前や教室の事情もあるため、本人に一声かけてからにします。
お礼に品物やお返しは必要?
不要です。招いた側は、見に来てもらえたこと自体を喜びます。当日に花や手土産を渡していれば、後日のお礼は言葉だけで足ります。そもそも通常の公演はチケットを買って見に行くだけで十分だと教室側も書いています(藤間恵都子教室のQ&A)。
逆に、あなたの家族が出演した側で「来てくれた人へお礼を送る」立場なら、同じく当日中の短文が向きます。「お忙しい中、足を運んでくださりありがとうございました」「客席からの応援が心強かったです」のように、来場への感謝と自分の気持ちを結びつけるとよい、と発表会のお礼文例の解説にあります(発表会に来てくれた人へのお礼メッセージ例文)。
返事が来なくても気にしなくていい?
気にしなくて構いません。発表会の当日から数日は、出演者は衣裳の返却、先生やお社中への挨拶、写真の手配で動いています。既読がつかない、短い返事しか来ない、はよくあることです。お礼は返信をもらうためではなく、「見ていましたよ」と伝えるために送るものです。
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