結論から。協会公演は、日本舞踊協会(本部・各県の支部)が主催し、流派の違う踊り手が一曲ずつ踊る公演です。ひとつの教室のお弟子さんが出る発表会とは違い、番組(プログラム)に「花柳」「藤間」「若柳」など複数の流派名が並びます。見るときは、1曲ごとに別の短編と思って、曲ごとに気持ちを切り替えるのがいちばんの近道です。
日本舞踊の協会公演とは?
公益社団法人日本舞踊協会の本部や各県の支部が主催する、流派を超えた公演です。 協会には現在108の流派が所属しており(日本舞踊協会「日本舞踊とは」)、その中から選ばれた踊り手が同じ舞台に立ちます。
本部が毎年2月に開く「日本舞踊協会公演」について、協会は「現在の日本舞踊界を代表する第一線の舞踊家が流派を超えて出演します」と紹介しています(第67回日本舞踊協会公演)。各県の支部も、地元の名取・師範が出る支部公演を開いています。富山の例は富山で日本舞踊の公演を見るにはにまとめました。
協会の公演には、ほかにコンクールの「各流派合同新春舞踊大会」もあります。こちらは若手が一曲ずつ踊って審査を受ける会で、一般の公演とは性格が少し違います。
協会公演と、教室の発表会は何が違う?
違いは「出る人の範囲」と「客席」です。 発表会はひとつの教室・流派のお弟子さんが出る会、協会公演は複数の流派の名取・師範やプロが出る会で、チケットを買った一般の人も見に来ます。
協会は、名取・師範になった師匠たちが、発表会や自身のリサイタルのほかに「日本舞踊協会公演や国立劇場の舞踊公演」などに出演していると説明しています(日本舞踊協会「日本舞踊とは」)。つまり協会公演は、教える立場の人たちが自分の芸を見せる場でもあります。
見る側から見た違いを、あくまで目安としてまとめます。会によって違うので、最後は案内で確かめてください。
| 教室の発表会 | 協会公演(本部・支部) | |
|---|---|---|
| 出る人 | ひとつの教室・流派のお弟子さん | 複数の流派の名取・師範・プロ |
| 客席 | 家族・知人が中心 | 一般の観客も多い |
| 番組の名前 | 同じ流派名が並ぶ | 違う流派名が並ぶ |
| 入場 | 招待・無料の会もある | チケット制 |
お弟子さんが手づくりで開く会との違いはおさらい会・浴衣会とはで詳しく書いています。
協会公演では、どんな曲が踊られる?
古典の名作から近代以降の作品、上方舞まで、1回の公演で幅広く並びます。 第67回の協会公演も、協会は「古典舞踊の名作、近現代に創作され評価の高い作品、そして上方舞まで」と紹介していました(第67回日本舞踊協会公演)。
同じ日に、華やかな衣裳とかつらの娘物のあとで、紋付袴の素踊りが続く、ということがよくあります。音楽も長唄・清元・常磐津・地唄と曲ごとに変わり、生演奏の地方(演奏者)が並ぶ曲も多く見られます。
協会公演は、どう見ればわかる?
番組で「音楽の種類と曲名」を先に確かめ、1曲ずつ別の作品として見ればわかります。 流派の違いを見比べようとしなくて大丈夫です。
協会自身も、まずは「音楽に耳を傾け、動きに目を向け、音楽と身体の動きとが織りなす世界をまずは五感で感じてください」と勧めています(日本舞踊協会「日本舞踊とは」)。そのうえで、次の3つだけ押さえれば十分です。
- 曲名を引いておく:番組の曲名を、このサイトの演目のページで引き、物語を3行だけ読む
- 曲の前に音楽を聞く:長唄なのか、地唄なのかで、明るさや速さの見当がつく(長唄・清元・常磐津の聞き分け)
- 曲が変わったら頭も切り替える:前の曲の続きではなく、新しい短編が始まったと思う
番組の読み方は番組(プログラム)の読み方に図つきで載せています。
協会公演の流派の違いは、見てわかる?
初めてのうちは、見分けられなくて構いません。 同じ曲でも流派によって振りが違うことはありますが、それを知らなくても一曲は十分に楽しめます。
番組の「花柳◯◯」「藤間◯◯」は、その流派で名取になった人の芸名です。名前の意味が気になったら名取・師範・家元の違いを読むと、番組の見え方が少し変わります。
このサイトで次に読む
- 番組(プログラム)の読み方 — 協会公演の番組に並ぶ「音楽・曲名・流派・地方」の読み取り方
- 松の緑 — 祝いの席でよく踊られる、短くて見やすい長唄の曲