結論から。日本舞踊の公演は、途中で帰っても構いません。半日がかりの会で知人の出番だけ見て帰る人は普通にいます。気をつけるのは帰るかどうかではなく、席を立つのが曲の途中になっていないかの一点だけです。
日本舞踊の公演は途中で帰ってもいい?
帰って構いません。日本舞踊の会は一曲ごとに完結した演目が並ぶ構成なので、途中で抜けても物語が切れません。地域の合同公演には開演11:00・終演17:00のような終日型もあり(いちかわ舞の會 舞踊の会は入場無料・開演11:00/終演17:00)、全部座っている前提では作られていません。
ただし劇場側は「上演中の客席への入退場は、できるだけお控えください」とお願いしています(国立文楽劇場 快適なご観劇のために)。禁止ではなく、出るなら音の切れ目で、ということです。
席を立つのはいつがいい?
曲が終わって拍手が起きているあいだが最も目立ちません。次が休憩(幕間)、その次が場内が明るくなる転換のあいだです。
あくまで目安で、会場の指示が優先です。
| タイミング | 出入り | 理由 |
|---|---|---|
| 曲の終わり・拍手のあいだ | ◎ | 音と動きがあり、椅子の音が紛れる |
| 休憩(幕間) | ◎ | ロビーが開き、飲食もここでできる |
| 曲と曲のあいだの転換 | ○ | 短いので手早く |
| 曲の途中 | △ | 客席は暗く、三味線と唄だけの静かな場面が多い |
| 踊り手が動きを止めた「キメ」の瞬間 | × | 客席がいちばん静まっている |
日本舞踊は三味線と唄が主役の時間が長く、沈黙に近い間(ま)が何度もあります。ビニール袋の音のような小さな音でも響くと案内されているほどです(同上)。上着やバッグは、座る前に膝の上か足元にまとめておくと、立つときに音が出ません。
幕間(休憩)はどれくらいある?
会によりますが、2〜3時間を超える公演には休憩が入るのが通例です。日本舞踊協会公演は上演時間3時間30分・休憩ありで案内された回があります(第63回 日本舞踊協会公演)。一方、1時間前後の解説付き公演は休憩なしで通すこともあります。
幕間は、次の3つに使うと過ごしやすくなります。
- 飲食。客席での飲食は断られるので、飲み物はここで。「飲食は休憩時間にロビーで」と明記されています(国立文楽劇場)。
- 番組(プログラム)で次を確認。次に誰がどの曲を踊るかを見ておくと、後半の見る点が決まります。
- 帰る算段。途中で帰る予定なら、休憩明けの1〜2曲を見て出るのが最も静かです。
開演に遅れたら、入れない?
多くの場合は入れますが、すぐに席へ通されるとは限りません。国立劇場のよくある質問には「公演によっては演出の都合や他のお客様のご迷惑になるため、開演後は入場を制限させていただく場合がございます。遅れていらした場合は、劇場スタッフが誘導いたします」とあります(日本芸術文化振興会 よくある質問)。曲の切れ目までロビーで待ち、係の案内で入る形になります。
開場は開演の30分〜1時間前からと案内されています(同上)。全席自由の会では、遅れると出演者の家族で前方が埋まっていることもあるので、席を選びたいなら開場に合わせて行くのが確実です。
「完全入替制」と書いてあったらどうなる?
昼の部と夜の部で客席をいったん空にする方式で、同じ券では出入りも通し観劇もできません。日本舞踊協会東京支部の公演には、昼11:00/夜16:45開演・6,000円・全席自由・完全入替制の例があります(日本舞踊協会 公演情報)。
この表記がある公演では、部の終わりに荷物ごと退出します。逆に、入場無料の地域公演やおさらい会は出入りがゆるやかで、途中から入って途中で出る人もいます。チラシに「完全入替制」「再入場不可」の文字があるかどうかだけ、先に確かめておけば十分です。
家族の出番だけ見たいときは?
出番の20〜30分前に着席し、その曲が終わって拍手が続いているあいだに出ます。番組をもらったら、目当ての曲の1つ前の曲名に印をつけておくと、入るタイミングを外しません。
出番の直前に駆け込むのは避けたほうが安全です。前の曲が短くて進行が早まることがあり、舞踊家も鑑賞の心得として開演20〜30分前の到着を挙げています(梅川壱ノ介 日本舞踊の鑑賞マナー)。会場で番組を受け取り、前後の曲を確かめる時間まで含めての「20〜30分前」です。
なお、客席の人数は出演者から見ても曲ごとに変わるのが当たり前です。出番のあとに帰ることを気に病む必要はありません。
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- 日本舞踊の公演は全体で何時間? 何時に行けばいい?:会の種類ごとの長さと、到着時刻の目安。
- 日本舞踊の拍手はいつする?:席を立つ合図になる「拍手の起きる瞬間」の見分け方。