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日本舞踊の「当て振り」とは? 歌詞をそのまま動きにする振りの例と、客席での見つけ方

2026-10-14 更新 日本舞踊の当て振りとは、歌詞の言葉をそのまま形や動作にする振りです。「山」なら手で山の形、「酒」ならお酌をして飲む動作。歌詞の名詞を1つ聞き取って直後の手を見れば、客席でも見つけられます。

結論から。日本舞踊の「当て振り」とは、歌詞の言葉をそのまま形や動作にする振りです。 「山」と唄えば手で山の形を作り、「酒」と唄えばお酌をして飲む。歌詞が古語で全部は聞き取れなくても、名詞を1つ拾ってその直後の手を見れば、客席でも見つけられます。

日本舞踊の当て振りとは、どんな振り?

当て振りは、詞章(歌詞)に出てくる言葉を、手や体の形でそのまま見せる振りです。

国立劇場の文化デジタルライブラリーは、当て振りを「詞章をそのままに表現する振り」とし、「『山』では手で山の形を作り、『酒』ではお酌をして飲む動作」と例を挙げています(文化デジタルライブラリー「当て振り」)。読み方は「あてぶり」。言葉に振りを「当てる」から、この名前です。

日本舞踊の振りは、全部が当て振り?

全部ではありません。振りには大きく3つの種類があり、当て振りはそのうちの1つです。

同じ解説では、歌舞伎舞踊の振りを「言葉そのものを表す振り」「言葉の雰囲気を伝える振り」「リズムに合わせた振り」に分けています(文化デジタルライブラリー「当て振り」)。意味を探しても見つからない振りがあるのは、残りの2種類だからです。

振りの種類どう見える客席での見方
当て振り歌詞の言葉を形にする名詞を聞いて、手の形を探す
雰囲気の振り恥じらい・悲しみを型で示す首をかしげる、顔を伏せる、袖で顔を隠す
リズムの振り音に乗って踊る意味は追わず、手足の切れを楽しむ

当て振りには、どんな例がある?

山・酒のような単純な形から、言葉遊びを形にする凝ったものまであります。演目でいうと次のあたりがわかりやすい例です。

  • 『羽根の禿』:正月の吉原で禿(かむろ・遊女見習いの少女)が羽根つきをする曲。「ひい、ふう、みい」と数え唄が聞こえたら、羽子板で羽根をつく当て振りです(俺の日本舞踊「羽根の禿」)。→ 羽根の禿
  • 『京の四季』:春の夜桜、夏の夕涼み、秋の紅葉、冬の雪見酒と、歌詞の季節に合わせて扇が桜・傘・盃になります。→ 京の四季
  • 『関の扉』:文化デジタルライブラリーが当て振りの極端な例に挙げる曲です。「きやぼうすどん」と呼ばれる部分では、言葉に別の字を当て、木・矢・棒の形を作ったり臼を引いたり錠の形を作ったりと、言葉遊びを次々に形で見せます。→ 関の扉

当て振りと見立ては、どう違う?

当て振りは「歌詞の言葉を体で示す」こと、見立ては「扇や手ぬぐいを別の物に見せる」ことです。

たとえば「月」と唄われて扇をかざし月にする場面は、歌詞に合わせた当て振りであり、扇を月に見立ててもいます。両方が重なることが多いので、客席で区別できなくても困りません。「いま歌詞の何かを形にした」と気づければ十分です。扇の見立てについては日本舞踊の扇子は何を表す?で詳しく紹介しています。

客席で当て振りを見つけるには?

歌詞の名詞を1つ聞き取り、その直後の手の形を見てください。

  1. 名詞を先に3つ知っておく:パンフレットや演目解説で「月」「花」「舟」「酒」など歌詞の名詞を読んでおくと、耳が拾いやすくなります。
  2. ゆっくりした場面で探す:当て振りは心情を踊る「クドキ」に多く、テンポの速い「踊り地」は「詞章の内容よりも、リズムに合わせて踊る」部分です(文化デジタルライブラリー「踊り地」)。速い場面では意味を探さなくて大丈夫です。
  3. わからない振りは「気持ちの型」と考える:形が何にも見えないときは、雰囲気の振りかリズムの振りです。正解を当てるのが目的ではありません。

当て振りを1つ見つけると、そこから先は「振りが歌詞を教えてくれる」状態になり、聞き取れない古語の曲でも話が追えるようになります。

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日本舞踊の当て振りとは何ですか?

歌詞(詞章)の言葉をそのまま形や動作で見せる振りです。国立劇場の文化デジタルライブラリーは「『山』では手で山の形を作り、『酒』ではお酌をして飲む動作」と例を挙げています。

当て振りと見立てはどう違いますか?

当て振りは歌詞の言葉を体で示すこと、見立ては扇や手ぬぐいを別の物に見せることです。「月」と唄われて扇を月にするように、両方が同時に起きる場面もよくあります。

当て振りはどの演目でわかりやすいですか?

『羽根の禿』の数え唄で羽根をつく場面、『京の四季』で扇が桜や盃になる場面がわかりやすい例です。『関の扉』には言葉遊びを形で見せる極端な当て振りがあります。

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